シロアリによる柱の老朽化……補強の必要性とは?

シロアリの被害は目に見えず、音も聞こえず、臭いもしません。家族の誰も気がつかないうちに進行しています。シロアリは柱や梁、壁に侵入して営巣します。木材の内部をスカスカにしてしまい、強度を失うことになりかねません。耐震基準を満たした家屋でも、シロアリの被害で木材が弱っていれば倒壊の恐れも考えなければなりません。

シロアリ被害とは?

シロアリの被害が考えられるのは、柱や壁、天井、床、押入れなどですが、シロアリは木材に含まれるセルロースを好んで食べます。セルロースは木材なら何でも含まれるので、紙や段ボール、タンスや本棚も無関係ではありません。
シロアリは湿気を好むので、浴室やトイレ、台所などの水回りの土台や柱、床裏に住み着きます。湿気のある木材はシロアリの大好物です。ここから、柱を伝って家に侵入することが多いのです。

シロアリ被害の補強の必要性

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シロアリが食害した木材は、外見はしっかりしているように見えても中がスカスカになっています。シロアリは光と乾燥を嫌うので柱や壁の真ん中を通り道にしています。これが、シロアリの被害に気がつきにくく、気付いた時には被害が拡大している原因です。表面にシロアリの被害が出てくる頃には中身は食べ尽くされています。

このようなシロアリの被害に遭うと、家屋の構造上重要な部分である土台や柱は強度を失います。阪神・淡路大震災では倒壊した家屋の80パーセントにシロアリ被害があったと言われています。シロアリの被害に気がつかずにいると、設計当初より著しい耐震強度不足が続き、地震の揺れに耐えられないばかりか、家が傾いたり、最悪の場合は、自然倒壊の危険がたかまったりします。

シロアリ被害箇所の補強工事はどのようにする?

シロアリに気が付いたら放置せず、すぐに業者を手配して、シロアリの被害の確認と駆除、被害箇所の補強工事をします。シロアリの駆除は、薬剤散布とベイト工法と呼ばれる置き餌方式の2つがあります。薬剤散布は、薬剤を床に撒いたり、壁に吹き付けたり、柱などの木材に注入します。ベイト工法は、シロアリを集めて薬剤を巣に持ち帰らせるトラップで、薬剤方式よりはやや費用がかさみますが、小さなお子さんやペット、化学物質過敏症の方でも安心して使うことができます。
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シロアリを駆除できたら、木材の被害状況を調べ、木材の交換や補強工事を行います。被害が小さい場合は、補強工事を行います。床や壁は張り替え、柱の悪くなった箇所の根継を施したりします。柱や水回りの土台や床に被害がある場合、工事を行ってみると外から見た以上に内部にシロアリの被害が大きく、補強することが不可能な場合もあります。その場合はその箇所の周囲を含んだ部分リフォームが必要になる場合もあります。

シロアリ被害は専門の業者でも全てを予測することが難しいので、工事が始まってから被害の大きいことに気がつく場合があります。事前の調査で被害が大きそうな時や、家の基礎部分、構造上に重要な部分にシロアリの被害がみられる場合は、最初から大規模なリフォームを選択すれば、シロアリ被害の木材を廃棄することになり使用する薬剤も最小限ですみます。大規模なリフォームを実施することで、湿気やカビ対策も基礎部から行えるのはメリットとも言えるでしょう。

補強後も忘れてはいけない対策

シロアリを駆除、リフォームをしても、再度シロアリ被害を受けることがあります。一度シロアリの被害を受けたということは、周辺の環境がシロアリの生息地域ということです。シロアリを寄せ付けないための暮らしの工夫や、予防的な薬剤散布と一年に1回の定期点検を忘れないようにしましょう。

家の中や床下の風通しを良くし、床下の通風口に物や植木鉢を置かないようにします。雨漏りや水漏れがあったら、すぐ修繕をしよく乾かします。庭に落ち葉を溜めたり、家屋の周辺に雨水が溜まったりすることがないように、庭や家周りの水はけや風通しを良くします。湿気を溜めないようにするのが大切です。

シロアリを予防する薬剤の有効期限は概ね5年ですが、5年間大丈夫というわけではありません。定期点検は一年に1回受けましょう。シロアリの被害がないか自分でも気をつけるようにして、怪しいと思ったら定期点検を待たずに業者に確認してもらうようにします。

シロアリ被害の補強はどこに依頼するとよい?

シロアリ駆除業者で、シロアリ駆除後の補強工事やリフォームを請け負ったり、工務店を紹介している会社があります。シロアリの生態や被害に詳しく定期点検も安心して任せられます。

また、シロアリ駆除に強いリフォーム会社や工務店に依頼することもできます。シロアリ駆除業者と提携しているリフォーム会社や工務店もあり、補強工事やリフォームについての相談にのってくれるので、一度相談すると良いでしょう。定期点検は、リフォーム会社や工務店がしてくれるか、提携のシロアリ駆除業者がする場合もあります。シロアリ駆除後は、定期点検が大切ですので、点検業務までお願いできる業者に依頼するのが良いでしょう。
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湿度を好むシロアリだけでなく、温暖化の影響で乾燥に強いシロアリも増えてきました。シロアリは、一度家に入り込むと柱や壁だけでなく、畳や棚などの木材のある場所にはどこにでも侵入します。しかも、被害に気付きにくく、気が付いた時には大規模な補修やリフォームが必要になるほど大きな被害を受けています。シロアリの被害を完全に避けることは難しく、定期点検が何よりも大切になります。被害が少ないうちに見つければ、駆除と小さな補修ですみます。年に1回の定期点検を行って早期発見しましょう。